• 2016/11/07/Mon 11:03:34
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行ってまいりました。横浜。
私は毎日朝の散歩で駅まで歩くと丁度始発の電車が出るところ、という時刻なのですが
それよりまだ30分ほど後の急行でまず京都まで出まして
そこから新幹線で新横浜、細かな乗り換えがあって
写真の展示会場「赤レンガ倉庫」というところの最寄り駅に着いたのち
10分後には無事ばんさんにお会いできました。
私とばんさんは地図上割と近くに住んでいるのですが間に山があります。
似たような時間に出発してこんなにも遠い所で落ち合う…非合理的邂逅でございます。

赤レンガ倉庫最寄り駅、私が下りたのは「日本大通り」という駅だったのですが
無知な私は路線検索をした時からその駅に着くまでそれを「にほんおおどおり」と読むとは知らず
「にほんだいどおり」つまりいわゆる「日大」がある通りなのかと思ってしまっていて
「『日大』ってこんな素敵ぽい場所にもあるのか~」などと思っておりました。
なので電車内でアナウンスを聞いた時は電車間違えたかと一瞬思いました。
で、その駅で降りた時10時頃だったと思いますが
まだ通りに人はまばらで 綺麗な建物を眺めつつ道なりに歩くと港というか海辺というか
海浜公園ふうに整備された場所が突然広がって左手に可愛く美しいレンガ倉庫が見えます。
もっと左は観覧車や高いビル群。右は海。素敵。奈良では拝めない風景でございます。
赤レンガ倉庫のお隣の敷地はなにやら全国ご当地美味いもの市的なフードコートと化していましたが
まだお客さんはほとんどおらずスタッフさんたちが準備中といった時間帯で
休日の喧騒が始まる前の静かで爽やかで澄んだ絵葉書みたいな風景であります。

展示会では渋い味わいのメッセージ性強い写真からデザイン性の高いポップな写真、
可愛さが濃縮された写真など それぞれ素晴らしい。
被写体は言うこと聞いてじっとしてる相手じゃないですから
どの写真もカメラマンさんが「今だ!」と切り抜いた、狙いを定めた再現不能の瞬間であります。
猫写真を撮ろうとしたことある人ならみなさん「どうやって撮った?!」って思うのでしょうし
写真撮り慣れてる人ならこの写真はあの会社のカメラ使ってるとか絞りが緩いだとかレンズがどうとか
色々観察テーマがあるのだろうな~と羨ましく思いつつ
私はアップでくっきりはっきり写ってる猫写真を見つけては「あー、ここはこうなっているのか」とか
刺繍に必要な知識を付けるために色々観察いたしました。
しかしあんなにもたくさん大きな写真があったのにもかかわらず
私が知りたかった全てを知ることはできませんでした。
やっぱり実物を傍で観察することでしか見ることの出来ない部分はたくさんあります。
私のやりたいことと猫の写真を撮ることで写真家さんたちが表現したいことは
全く別のことであるのだなあということが
まあ取りあえずわかりました。前から分かってたけど。

しかしそれはおいといて にゃんこの可愛さは堪能し、
ばんさんはじめばんさんのお友達のかた、
お名前は知っておりましたが初めてお会いした方にご挨拶出来たり
時間を前倒ししてやって来てくださった編集者さん×お二人ともお話しできて
目的を果たしてさあ次は午後2時に赤レンガ倉庫を出なければなりません。

というのはこの日私はいつもの大親友と京都に宿泊する予定がありました。
京都に4時半待ち合わせです。
朝京都駅でこの復路の新幹線の指定席をとっておきましたので
それに間に合うように やたらと接続の良い乗り継ぎ予定が立ってしまっています。
倉庫を出ると来た時とは打って変わってものすごい人の波。
そこを掻い潜って来た道をひたすら早歩きで駅に向かいます。
朝の5時過ぎにちょっとパン食べてお茶飲んでから飲まず食わずで
往路の新横浜からは立ち尽くし歩きつくしだったので結構疲れてます。
ここで素敵な景色を振り返ることもなく必死の早歩きで息を切らして駅まで来ると
電車はすぐにやってきました。
この後も乗り換えが細かくありつつ新幹線に乗るときも階段上ったらすぐ電車来る、みたいな
最高の接続で息も絶え絶え新幹線に間にあいました。

私は横浜の地に立ったの多分生れて初めてだったと思うのですよ。
大阪駅を出て大きな道路沿いに進んでやがて堂島川渡ってチューリップのコンサートがあった場所である
フェスティバルホールへ着く、
ちょうどそんな雰囲気・距離感で赤レンガ倉庫に着いたのですが
なんとなく洗練度合というかお洒落度合いというか漂っている空気が横浜はまるで違ってて
こんなところで青春時代過ごせる人はそれだけで人生運に恵まれてるのではないか、などと
大変羨ましく感じました。
そんな煌めくような素敵な場所なのですが多分もう私一生来る機会無いな、と
低血糖と貧血と酸欠でフラフラになりながらまさに「のぞみ」に倒れこんで
こんな思い出しか作れなかったことをまことに残念に感じたりもしています。
でも目的はほぼこなせたのでこれでいいのだ。

で。京都。私はシャンブレー買うことで散財してる、と言いましたが
そうそう、この親友との京都小旅行でもその1泊の上げ膳据え膳に散財しているのでした。
今回は友人にシャツ売る物々交換みたいなものでゲットした「京都炭家1泊」でございます。
お部屋のお風呂もヒノキで結構大きくてお湯も張ってくれてあってそれは朝まで冷めないし
(大きな家族風呂もあってそちらにも入りました)
中居さんのお仕事ぶりも素晴らしかったのですが
もうとにかくお料理が最高で。お肉なくて全てお魚なのですが
私あんなに美味しい焼き魚初めて、って思いました。
沢山の種類のお魚、、料理法も色々なのですが本当に美味しくて
また炊き物や汁物、あんかけなどの出汁も恐ろしく美味しくて
和食すごいって感じました。すごさを説明する言葉持ってないことが悔やまれます。

チェックアウトの時もお抹茶とお菓子を出して下さるのですがこれもまたおいしくて 
作法出来ないし抹茶もいい立て方わからないけど
抹茶買って帰ろっかななどと思ってしまいます。
本当に素晴らしいお宿でございました。さすが京都三大老舗のひとつ。
ここはお勧めいたします。


*********

それでもって翌日はそぞろ歩きがてら清水寺近くの「京都三年坂美術館」を見てまいりました。
今、刺繍も展示しているのです。
これは日本刺繍でも伝統的な着物などのための柄じゃなくて掛け軸や屏風になってる写実的な刺繍で
使っている糸や方法が自分とは違いますが
究極的にはやりたいことは同じであろう種類の刺繍です。
(もちろん私のやっていることは比べ物にならないくらいちっぽけなことですよ。)
小さな猫刺繍もありました。
相良縫いで図案を埋める、最近のフレンチノットで埋める手法と同じタイプのものもありました。
可愛くそして恐ろしく細かいです。
小さなお財布の表も内側も細かな刺繍で埋め尽くされていたりして
あれだけの細工を真似して作ったら私ならおいくら万円で売ろうとするだろうか、などと考えてしまいます。

当時「ハイカラ縫い」とよばれたらしい1色でカッコよくデザインされた刺繍などは
その意匠にうなります。モチーフが和の人なだけでおしゃれなフランスのねこ刺繍に劣りません。
金糸をふんだんに使った豪華な刺繍や瀑布の風景画風刺繍なども
それぞれに細やかさに圧倒されますが(一体何か月かかったのか…)
私はライオンを刺した刺繍に自分と同じ苦労を見出しました。

展示されていた刺繍はざっと100年ちょっとまえの作品たちです。
当時本物ライオンを作者のかたが間近で見る機会などあったのか分かりませんが
それは洋画のライオンを観察していくつか自分でデッサンをして下絵とし、そして刺繍したもののようでした。
それが、元の洋画がそこまで細密タッチでないために細かな毛の流れがいちいち描かれてないのですよね。
そうすると本当はここでどのように毛並みが走っているのか不明、という場所がたくさん出てくる。
多分身近な猫とか見て観察もしただろうと思われるのですが
「ここ判らないよねー。難しいよね!」と私がいつも迷う場所を
たぶん明らかに迷って適当(適宜想像して、という意味です)に刺してあるのが
ありありと見受けられるのです。これ、実際刺したこと無いとなかなかわからないと思います。
さっきの「瀑布(滝)」の刺繍も「ここ、こういう風になっちゃうのちょっと惜しいと思いながら仕方なくやった」
という作者の声が聞こえてまいります。
それから「ここもこの刺し方だけでやらないほうが良かった」と
後でちょっと心残りに感じたのでは?と思われる場所があったり
いずれもこれだけの表現ができる人らしからぬ部分的なミス(というほどでもないけど戸惑ったであろう部分)が
ポンと目に飛び込んできて
勿論私にだってできない場所なのですがそこを簡単にやっている人はここ100年いなさそうである・・・
という事実に安心したのでありました。
「これ」を糸でどう表現するかというあまたの難問を乗り切ってきた人たちでも
「ここはどうする?」とやはり同じ場所で迷っているのです。私が迷っても当然のことであったのでした。

三年坂美術館ではほかにも名匠たちの技術と根性てんこ盛りの
細緻な私好みの作品がいくつも鑑賞できますが(そうそう、私は螺鈿が大好きです)
なかでも伊万里のティーセットが大変美しかったです。
私は焼き物の目利きでも何でもないし
素敵と感じたお茶碗やお皿を少しづつ買い集めてしまう、などと言った可愛らしい良い趣味とも無縁で
子どもが小さいうちはヤマザキの白い皿が丈夫でイイと本気で思っているような大雑把な人間ですが
この伊万里のティーセットのカップ1つだけでいいから眺めるためだけに欲しいと感じました。
宝くじが当たっても買えるものじゃなさそうですが焼き物に関してこんな風に思ったのは初めてです。
図版もあったのですが 多分本物見にまた来るんじゃないかという予感さえします。
(あの坂も横浜道中と同じくらい息切れますが…)

この前日、横浜行きの早朝に 私の気がかりの「残りの一つ」は結局変化なしで
想定内の不安的中ではありましたがさほど引きずってない自分がいます。
というのはもう一方の「半年くらいお返事待とう」の方から深夜のうちに
嬉しいお返事をいただいていたからです。
こちらは「思い切ってやってよかった!」という結果が得られたわけです。
いや、そこまでまだ良い結果という訳ではないのですが 
まずは第一歩を踏み出したら相手も動いてくれたのだから
自分の中では大きく動いたと言ってもいいでしょう多分。

とりあえず悩んで決めて行動してめちゃくちゃフラフラになりつつ
自分の立てた予定を果たせたり 期待していなかったものが得られたり
結局得られなかったものがあったり 気持ちのどこかであきらめたものがあったり
新しいやってみたいことが生まれたり・・・という忙しい1週間が過ぎまして
また静かに刺繍の続きに戻っていきます。体力無いからやれやれ…って感じです。


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